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国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学法科大学院様 講義収録・音声解析連携システム「DaAlps for Education」を導入

「講義を文字化し、
聞きたいと思ったところを文字から探して再生できるようになり
学生の復習環境が向上しました」

名古屋大学法科大学院では、講義収録・音声解析連携システム「DaAlps for Education」を導入し、法律基本科目の講義の動画を収録。AI(人工知能)による自動音声解析を行い、講義の文字情報から録画をピンポイントで再生できる環境を提供することで、学生が効率的に復習を行うことができる学修支援体制を整備しています。詳細な利用状況について、ご担当者様に伺いました。

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学法科大学院様

https://www.law.nagoya-u.ac.jp/ls/

 

【大学院概要】名古屋大学における専門職大学院として法曹の養成に当たる「名古屋大学法科大学院」

名古屋大学法科大学院についてご紹介ください。

名古屋大学は現在、9学部、13研究科を擁する総合研究大学です。2018年には、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学として、指定国立大学法人にも選出されています。

当学のある東海地域は日本有数の産業集積地であり、産業界に数多の人材を送り出しています。同時に、6人のノーベル賞受賞者に代表されるように、世界に類のない質が高くオリジナルな研究を展開することで、数々のイノベーションを創出し、世界トップレベルの研究大学へのあゆみを進めてきました。

名古屋大学法科大学院は、このような名古屋大学における専門職大学院として2004年4月に開設されました。以来、

  • 1. 豊かな人間性と感受性に裏打ちされ、幅広い教養と優れた法的専門能力を備えた法曹の養成
  • 2. 国際的な関心を持つ法曹の養成
  • 3. 市民生活に関連する分野について広範な知識を有するホームドクター的な法曹の養成

という3つの教育理念と目的を持って、法曹の養成に当たっています。
2020年度末までに修了者数は900名を超え、本法科大学院からの司法試験合格者は537名を数え(2006年~2021年司法試験)、多くの修了者が法曹として実務に就いています。

 

【利用状況】収録した講義をスマートフォンやPCからキーワードで検索して視聴できる環境を提供

DaAlps for Educationの利用状況について教えてください。

本法科大学院では新たに2022年度からDaAlps for Educationを導入して、収録した講義を学生がスマートフォンやPCで視聴しながら、復習できる環境を提供しています。現在、1年次配当の必修科目となる法律基本科目を中心とした講義を収録対象としており、年間で合計420コマを収録する予定となっています。1コマ当たりの平均収録時間は約90分間となります。

システムのおおまかな流れは、以下のとおりです。
まず講義収録システム「FOMS Rec」により収録された動画は一旦、学内LAN経由でサーバー室のNAS(ネットワーク対応HDD)に保存されます。収録された動画には、DaAlps for Educationにより音声のテロップと検索のためのタグデータが付加され、学内LAN経由でクラウド(Amazon Web Services)に転送されます。


名古屋大学法科大学院におけるDaAlps for Educationのシステム利用イメージ


学生はPCやスマートフォン、タブレット端末で講義全体を視聴したり、キーワードで検索して、視聴したいシーンから動画を再生することができます。ただし、講義録画を閲覧できるのは自習室など大学内の一部の部屋に設置された名古屋大学無線LANネットワークのアクセスポイント経由でのみとなります。よって学外からは視聴できません。

 

なぜ、視聴は学内に制限しているのでしょうか。

学外でも閲覧したいという学生からの要望はあるのですが、本法科大学院の内部規程で、学内のみの限定公開を条件に収録していること。さらに、学内の規程で個人情報は2段階認証にしなければならないことから、現段階では学内からの閲覧に制限しています。将来的には、規程の変更やシステム面での対応も検討していきたいと考えています。

 

保守運用体制について教えてください。

次のような通常の運用に必要な作業は、本法科大学院の担当者が対応しています。

  • 管理ソフトウェアへの登録(講義名、講義担当者、収録スケジュール、学生IDとパスワードなど)
  • DaAlpsで公開、AI解析の設定
  • 教員に収録方法を伝えること
  • IDとパスワード配布と視聴方法の説明

システムのトラブルや使い方がわからない点などについては、レスターコミュニケーションズにサポートをお願いしています。

 

【導入背景】講義録画の視聴環境を改善し、より効率的な復習環境を提供するため導入を検討

DaAlps for Educationを導入した経緯を教えてください。

2023年から法科大学院在学中に司法試験が受験できるようになるので、法曹養成プロセスに占める法科大学院教育が、より短期化・画一化していくことが考えられます。そのため本法科大学院においても、いかにして法科大学院教育の質を確保し、さらには独自性を打ち出していくかという課題に取り組み、日々改革を重ねています。

その一環として、本法科大学院では全国の法科大学院に先駆けてICTを積極的に活用した教育を実践してきました。講義の動画収録に関しても、2005年に独自の講義収録・視聴システムを開発して2021年度まで利用していました。 法学初学のうちは授業を振り返る環境が必要です。本法科大学院では法学未修者のサポートに焦点を当て効率よく学修できる環境を提供することが、その目的となります。

しかし旧システムでは、講義中に学生各自が重要と思ったところや、よくわからないと感じたところにインデックスを付け、授業終了後、インデックスを付けた講義ノートを開き、 インデックスボタンをクリックすると該当箇所から講義が再生されるという仕組みとなっていました。

そのため、「講義を最初から最後まで受けていないと、どの部分を再度視聴したいのかわからない」、「講義を受けながらインデックスを付けるのは困難」ということから、結果、インデックス機能はあまり使ってもらえず、「早送り」や「戻す」を繰り返しながら見たいと思った部分を探して再生するという学生がほとんどでした。

また、旧システムでは収録データがWMV形式であったため、有線LANに接続したPCしか視聴できませんでした。

 

【選定理由】講義の音声からAIで文字情報を取得し、ピンポイントで検索・再生できる機能を評価

旧講義収録・視聴システムからDaAlps for Educationへと切り替えた理由を教えてください。

講義をAIが自動で文字化して、キーワード検索で見たいと思った箇所をピンポイントで探して再生できること。PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末でも視聴できる環境を実現できること。そして、各教室のAV機器システムの更新にかかる費用とクラウドサービスの利用料、文字解析費用などを合わせたトータルのコストが適正であること、という3点がDaAlps for Educationを採用した重要なポイントとなりました。

最終的には、 模擬授業の収録と視聴実験を実施して、使い勝手を確認するとともに、実験に参加してくれた学生の意見も参考にして、DaAlps for Educationの導入を決めました。

 

【導入効果】見たい箇所をピンポイントで再生できるようになり、学生の復習環境が大幅に向上

導入してまだ間もないですが、成果などは見られますでしょうか。

DaAlps for Educationに関して、学生からは次のような声が聞かれています。

「自分が聞きたい部分や、もう一度聞きたいと思ったところをピンポイントで探して、再生するのに便利」
「再生されている箇所の文字が赤く変わっていくのも役立つ」

また、従来は直前の授業を視聴することが多かったのですが、過去の講義を横断的に検索できるので、講義録画をより有効に利用できるようになると期待しています。

一方、システム面では収録データがMP4形式になったことで、無線LAN環境やスマートフォンなどに対応できるようになり、手軽に視聴できるようになりました。

AIによる音声解析の精度に関しては、いかがでしょうか。

専門用語も多く、さらなる解析精度の向上は期待するところですが、講義の文字情報はあると便利で、 漢字の変換違いがあっても、手元に教科書やレジュメなどがあり、自分で正しく読み替えているからあまり気にならないという声もあります。

導入システム詳細

タッチパネル カメラ
■DaAlps for Educationの管理者向け画面(サーバー室)(左)、サーバー室に設置されているNAS(右)

タッチパネル カメラ
■講義収録の操作画面(タッチパネル式)(左)、各教室に設置されているリモートカメラ(SRG-X120)(右)

リモートカメラ(SRG-X120) RAIDストレージ
■講壇に設置されている録画操作モニター(左)、各教室に設置されているネットワーク機器(右)

 

【期待・要望】効果的な学修活動を支援するための、音響・映像技術やソリューションの提供に期待

レスターコミュニケーションズに対する評価や要望、期待があればお聞かせください。

模擬授業と視聴実験を実施する際、東京から名古屋まで必要な機材を持ち込んでもらい、また協力してくれた学生にも気を遣っていただき、担当者としてはとても助かりました。

レスターコミュニケーションズは、教育現場でデジタル技術を利活用することに高い関心を持っており、今後も効果的な学修活動を支援するための、音響・映像技術やソリューションを教育現場に提供してもらえればと思います。

最後に、DaAlps for Educationの導入を検討している教育機関などへのアドバイスがあればお聞かせいただけますか。

講義動画を視聴する教育支援システムを導入した話をすると、「司法試験の合格率は上がりましたか」という質問をいただくこともあります。投資したからにはそれなりの成果が欲しい気持ちはよくわかります。しかし、専門的知識を身に着けられるかどうかは本人の努力にかかっています。成績の良い上位層、中間層、下位層の学生がいる中で、そのうちどの層を支援し、どれぐらいのコストをかけるのかを判断することが肝要だと思います。そのためにも、DaAlps for Educationの導入を検討する際は、対象学生や学修のどのプロセスをサポートするのかを整理することをお薦めします。

 お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

製品詳細ページについて

DaAlps for Education

ハイフレックス授業に最適なシステムとは

国立大学法人筑波大学様 講義映像に付ける字幕テキストの音声解析にDaAlps for Educationを利用(事例ページへリンク)

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