関西テレビ放送株式会社様 IP対応の音声中継車を導入
~IP対応の音声中継車を導入!ソフトウェアベースの音声技術に挑む~
(取材:月刊ニューメディア編集部)
関西テレビ放送株式会社様
お話しをうかがった方
関西テレビ放送株式会社 技術推進本部 制作技術統括局 制作技術センター主事・井田憲吾氏
高く評価したソフトウェアベース 拡張性と自由度
音声中継車の更新にあわせてIP対応を導入したのは時代の流れもあるが、それ以上にソフトウェアならではの優位性を評価したそうだ。
「基本的には、各種比較した上で性能が最も優れたデジタルコンソール(ソリッド・ステート・ロジック製System T)を選びました。IP対応している候補はほかにもありましたが、ソフトウェアベースで『根本からのIP対応』に将来性を感じたためです」と井田憲吾氏は話す。
IP対応を搭載したものを含む従来のハードウェア製品については、信頼性などの面において社内的にも推す声はあったが、単純にSSL製のコンソールが優れていたこと、今後登場する新たな音声技術への対応力をにらんで選定したという。
「5.1chサラウンドもイマーシブオーディオも、ハードウェア依存ではすぐに対応できないというジレンマがあった。5年、10年先の音声技術やサービスに対応していくために、ソフトウェアベースにこだわりたいという思いがありました」(井田氏)。
7.1.4chのメインとサブの2ルーム体制
ベンダー側も総力を結集
カンテレにとって、IP音声中継車の構築は初めての経験だ。井田氏は「(レスターには)事実上お任せした上で、IPについていろいろと学ばせてもらった」と振り返る。
弊社担当の藤元誠氏は「我々がこれまで培ってきたIP設備のノウハウ、そして協力7社※1の持っていたノウハウを結集した形です」と話す。実際、SSLをはじめとする各社との協力体制は極めて円滑に進んだようだ。
「放送局には、IP未経験というスタッフも多いのが実情。相互接続の確認を含め、我々がベンダーとしてしっかりとした提案をしていくことが重要です」(藤元氏)。
IP音声中継車の活用について、井田氏は「中継車を心臓部として、ネットワークがつながる限り自由度の高い現場構成が作れる。配線も同軸やキャノンケーブルとは比較にならないほど柔軟かつ簡単で、ゴルフ中継などの現場において威力を発揮します」と展望を語る。
「完成したIP音声中継車を初めて見た時、想像以上に強いインパクトを受けました。現場の取り回しの向上はもちろん、空間オーディオを含む次世代の音声サービスについても対応できる。若い世代を含め、よりクリエイティブな発想が広がるものと期待しています」(井田氏)。
音声技術の新たな未来が広がるきっかけとなるか。
▶音声中継車内
(月刊ニューメディア 2023年 5月号掲載)
※1:ソリッド・ステート・ロジック・ジャパン、京成自動車工業、日本音響エンジニアリング、スタジオイクイプメント、アルファメーション、三木楽器、いすゞ自動車
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