宮城県多賀城市様 創建1300年の多賀城を紹介する「多賀城跡ガイダンス施設」に「Crystal LED」を導入

「液晶プロジェクターでは出せない鮮明な映像と
記念撮影にも使える利便性から "Crystal LED" を選定。
市民の皆さんからは、他にもいろんな映像を見たいという
期待の声をたくさんいただいています」
宮城県多賀城市様
HP:https://www.city.tagajo.miyagi.jp/
多賀城創設1300年記念事業
お話をうかがった方
多賀城市教育委員会
文化財課 副主幹
熊谷 信太郎 様
【事業概要】多賀城市創建1300年記念事業について
多賀城市創建1300年記念事業について教えてください。
国の特別史跡でもある「多賀城」は、神亀元年(西暦724年)に創建された古代の城柵です。元々は大野東人(おおの の あずまびと)によって造られたこの「多賀城」は、陸奥国府が置かれるなど、古代東北の政治・文化の中心として繁栄したことから、宮城の始まり、そして東北の始まりと言われています。
そんな「多賀城」が2024年に創建1300年の節目を迎えることから、「つなぐ、つなげる。1300年」という理念を掲げて、記念事業を立ち上げることとなりました。
事業の目的は、過去に学び、今を見つめ、未来を想像しながら、「多賀城」のプレゼンスを高めていくこと。そして「多賀城」、並びに東北の発展です。そのため展示会やお祭り、ライブイベント、イルミネーションなど多種多様なプログラムを展開してきました。
さらに2025年4月25日には、復元された「南門」と、「多賀城跡ガイダンス施設」がグランドオープン。多賀城の歴史や概要、南門復元の歩み、当時の衣装などから、多賀城の歴史を感じていただける内容となっております。
【利用状況】200インチのLEDディスプレイを壁一面に設置
大型LEDディスプレイ「Crystal LED」の設置状況を教えてください。
「Crystal LED」は、多賀城跡ガイダンス施設の展示スペース内に設置しています。
サイズは縦2m50cm、横4m30cmの約200インチの大画面で、縦横それぞれ7枚ずつ、計49枚のLEDパネルで構成されています。
ディスプレイ横にはスピーカー2つとHDMI入力端子、サイネージプレイヤーがあります。それら納品物一式と、現場での設計、設置、施工をレスターさんにお願いしました。
なお多賀城跡ガイダンス施設の営業時間は9時から16時半で、その間、常に映像をループで流し続けています。 床から天井近くまで広がる大型ディスプレイはとても迫力があって、高い臨場感、没入感を得られますので、ぜひ多くの方に見ていただければと思っています。
![]() 多賀城跡ガイダンス施設 展示スペース |
![]() サイネージプレイヤー |
【背景】アナログとデジタルのハイブリッド効果を求めて大型ディスプレイの設置を決定
多賀城跡ガイダンス施設にLED大型ディスプレイを設置することになった背景を教えてください。

多賀城市教育委員会
文化財課 副主幹
熊谷 信太郎 様
「古代の多賀城がどんなものだったのか」、またその「観光資源としての価値」を伝え、広めていくには、どうしても文化財の「見える化」が必要でした。
目に見えない観光資源の「見える化」は、本来ならタイムマシーンでも使わないと実現できません。しかしコンピューターグラフィックを活用した映像作品による疑似体験と、立体復元したリアル展示の両方をハイブリッドで体感してもらうことで、その「見える化」を実現できるのではないかと考えるに至ったのです。
そして映像作品を映し出す機器として、大型ディスプレイを設けることになりました。
計画の初期段階では、複数の「液晶プロジェクター」による投影方式を検討していました。しかし「液晶プロジェクター」を使うには次のような問題があったのです。
● 映像が暗い
液晶プロジェクターは、暗い場所でしか綺麗に上映できません。設置予定であるガラス張りの部屋で使うには、自然光が入らないようカーテンやブラインドを閉めて、かつ部屋を暗くする必要がありました。しかしそれだと、せっかく窓から南門が見えるのに台無しです。
● 記念撮影ができない
観光資源として使用することを考えた時に、スクリーンの前に立つと映像が身体に映ってしまう点や、部屋を暗くしなければならない点から、記念撮影などに使えないことも問題でした。 こうした問題点をすべて解決してくれたのが、今回導入した「Crystal LED」だったのです。
【選定理由】映像の綺麗さや信頼性の高さが「Crystal LED」の魅力
「Crystal LED」にどういった魅力を感じられたのですか。
大きくは次の3点です。
● LEDを採用
LEDということで、映像はとにかく明るくて美しいですし、視野角も広いのでどの位置からも見やすいです。記念撮影もしやすそうだと期待感が持てました。また施設内でずっと上映を行うことを想定しているので、長寿命で省エネという点でもメリットを感じています。
● 色の再現性が高い
綺麗なだけでなく、色の再現性が高い点も魅力です。「再現性が高い」ということは、映像コンテンツ制作者、ひいては私たちの意図がズレなく視聴者に伝わるということ。これは今後いろんな情報を発信していく上で、非常に有用だと感じました。
● 国産かつブランドの信頼感
海外メーカーの同様の製品も検討しましたが、価格面はともかく、品質、安定感、サービスの面で、国内メーカー製に大きく優位性がありました。中でもソニーの「Crystal LED」は、ブランドへの信頼感もあって導入を大きく後押ししてくれました。
【導入の苦労】実物を見た幹部の後押しで一気に採用へ
導入に際しての苦労などがあれば教えてください。
市の職員や部内からは、「液晶プロジェクター」と「LEDディスプレイ」の違いを知らない方が多くて、最初はなかなか導入に理解を得られませんでした。明るい場所でも「液晶プロジェクター」は問題なく見られると思っている人も多かったですね。
ただそんな中、ある幹部職員が「Crystal LED」の実物を見て、その綺麗さに感動したことで一気に潮目が変わったのです。
その方は、どういう経緯で「Crystal LED」のことを知ったのですか。
多賀城跡ガイダンス施設の設計委託業者から教えてもらったようですね。そこで品川にあるソニーのショールームまで出かけて、実際に「Crystal LED」を間近で視聴したとのことでした。その後、詳しくソニーの担当者からお話を聞いて、そこからレスターさんを紹介してもらって……と、とんとん拍子で話は進んでいきました。
【反応】百聞は一見にしかず! 誰もが「凄い」と評価一変
実際に「Crystal LED」はどんな方がご覧になりましたか。またその時の反応を教えてください。
施設のグランドオープン前には、市の職員と、事前に「テストラン」を行った際にお越しいただいた数百名の市民の方にご覧いただきました。反応は予想以上で、「これは凄い」という声が多かったです。
特に職員たちに関しては、あんなに根強かった「液晶プロジェクター導入」の話はすっかり頭から消えてしまったようで、非常に前向きな意見をたくさんいただきました。
また市民の皆さんからは、「多賀城創建の映像だけでなく、いろんな映像を映して欲しい」という意見もたくさんいただきました。そういう発展は私たちも考えていたことですので、ぜひ実現させていきたいと思います。
【推奨ポイント】実物を間近で見てみることをオススメ
「Crystal LED」の導入を迷っている方に向けてアドバイスをお願いします。
やっぱり一度、実物を見てみることですね。品川にあるソニーのショールームでもいいですし、東北方面の方でしたらここ、多賀城跡ガイダンス施設にお越しいただいても構いません。実物展示もあるので、史跡を合わせて見に来ていただけると嬉しいですね。
ソニーさんから伺うに、東北でここまで大きな「Crystal LED」を室内で導入しているところは、今のところ他にないそうですので、きっと参考になるのではないでしょうか。
「レスターのベンダーとしての評価を教えてください。
誠実にやってくれた印象です。
設計が進む中、「壁にHDMI端子を足して欲しい」と追加依頼をした時があったのですが、迅速に見積りや打ち合わせを進めてくれました。またプレイヤーを置くラックをどうすれば良いか相談した時も、嫌な顔一つせず他の業者さんと調整し、企画提案してくれました。
どんなお願いも「自分ごと」と捉えて対応してくれるうえ、施設のグランドオープンというゴールが決まっている中で、常に素早く動いてくださったので、とても感謝しています。
【今後の展望】様々な映像コンテンツを使った新たなイベント開催なども視野に
今後の展望を教えてください。
現在は、多賀城の歴史を伝える映像だけを流しているので、もっといろんな映像を流したり、イベントにも活用していきたいと思っています。
まずは、多賀城跡ガイダンス施設と同時にお披露目された「南門」の復元過程を映像化して、流すことを検討しています。
また昨年は、「光の道 ART プロジェクト」や「光・音・食の吉事(よごと)で楽しむ、光の夜事(よごと・ナイトコンテンツ)」といった、ライトアップを楽しむ「夜」のイベントを開催しました。今後こうした夜間に行うイベントを催す際は、ぜひ「Crystal LED」も使いながら、アートプロジェクトやナイトミュージアムなどを行えればと考えています。
また市民の皆さんからは「他の映像コンテンツを流して欲しい」というご要望をいただけているので、そういった声にも応えていければと思っています。