社会福祉法人 聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院様 手術室タッチパネルコントロールシステム<CREAST>の導入
「CREASTによって、手術中、迅速に機器の映像を表示できるようになっただけでなく、
準備や術後の作業負荷や時間も削減されました」
社会福祉法人 聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院様
http://www.seirei.or.jp/sakura/index.html
お話をうかがった方
社会福祉法人 聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院
臨床工学室 臨床工学技士 石井 博氏
【病院概要】創立約150年、患者様本位のより良質な医療を追及する「聖隷佐倉市民病院」
聖隷佐倉市民病院についてご紹介ください。
聖隷佐倉市民病院は、国立佐倉病院(1874年創立)から、2004年聖隷福祉事業団へ経営移譲され現在に至ります。2004年の開設時より「自分たちの病院を最高のものにしたい」という強い思いのもと、職員が一丸となって、地域に根ざした患者様本位の医療を提供することに取り組んでいます。当院が病院を構える佐倉市は、千葉県の北部、下総台地の中央部に位置していますが、佐倉市はもとより周囲の成田市・印西市・四街道市・八街市・酒々井町などの地域からも、数多くの患者様に通院していただいています。
開院後は、各種部門の新規開設や建物の増改築を重ね、2019年には第4期目に当たる大掛かりな増築工事を完了しました。現在、病棟は400床クラスの建物となり、より良質な医療を提供する体制が整備されました。
その際、私が臨床工学技士として担当している手術室では、整形外科・外科・乳腺外科・呼吸器外科・形成外科・泌尿器科・眼科・内科・耳鼻咽喉科・血管外科の手術を行っていますが、年々手術件数が増加傾向にあることから、6室から8室に増室しました。また、医療技術面も拡充され、現在、CT装置が4台、MRI装置が3台、高精度照射が可能な放射線治療システム、脊椎整形外科のナビゲーションシステムや手術用O-armなどの機器を装備し、安心で確実な手術を可能にする体制を実現しています。
【利用状況】映像ソースの選択や録画、術野カメラをタッチパネルで簡単操作
CREASTの導入状況について教えてください。
増設した2部屋の手術室でCREASTを利用しています。手術室内のさまざまな医療機器の映像出力を一元管理し、次の3つの操作ができるようにしています。
・壁面モニタや吊り下げモニタへ表示する
映像ソースの切り替え
・メディカルレコーダへの映像録画
・術野カメラの撮影位置や角度の調整
CREASTの使い勝手はいかがでしょうか。
大型タッチパネルには接続している機器の出力映像がリアルタイムで表示され、映像をタッチするだけでモニタに表示したいソースを直感的に切り替えることができるので、必要な情報を迅速かつ確実に表示できるようになりました。
映像の録画も同様で、「録画」や「停止」ボタンなどをタッチパネルから直感的に操作でき、録画状況もわかりやすく表示されるので、録画に手間取ったり、ミスが発生したりすることがなくなりました。また、ズームやパンといった術野カメラの操作もタッチパネルで思い通り操作できるので、看護師からはとても使いやすいと好評です。
手術中の映像を録画する機会は多いのでしょうか。
ほかの病院と比べて多いかどうかはわかりませんが、たとえば腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、脊柱変形疾患など、ほぼすべての脊椎疾患に対して年齢を問わず対応している当院の「せぼねセンター」は、年間400例以上の手術症例数があります。特に側弯症,後弯症,成人脊柱変形など脊柱変形の手術件数は、全国第6位(DPC全国統計,平成29年度より)の症例数があります。ほかの診療科でも同様に高いレベルの治療や手術を行っている症例は多く、院内で保管する映像のほか学会発表用の提出資料や教育用資料、記録用資料に映像の録画を要望されるケースは数多くあります。
【導入効果】機器を問わず表示や録画がスムーズになり、臨床工学技士の作業負荷も軽減
CREASTを導入した効果やメリットがあれば教えてください。
これまでは、各機器に付属の録画機能を使って映像を録画。その録画データをハードディスクなどから取り出して、ダビングしたり編集したりした後、DVDなどのメディアに保存してドクタに提出していました。録画機能のない機器は、ハードディスクレコーダなどを個別に接続して対応しなければならず、機器によってはコネクタの変換が必要で、画質が落ちてしまうこともありました。
今回、CREASTで映像ソースを一元管理できるようになったので、映像出力機能を備えている機器であれば録画機の有無にかかわらず、メディカルレコーダで一元的に映像を録画できるようになりました。加えて今回、ハードディスクと同時にDVDなどのメディアに同時録画できるメディカルレコーダを採用したので、ダビングなどの作業が不要となり、手術後すぐにドクタへ映像を提出できるようになりました。
また手術中、各機器の映像に加えて、医療用画像管理システム(PACS)などの画像も、吊り下げモニタや壁面に設置した大型モニタへと瞬時に映し出すことができるようになりました。そのため、ドクタが機器のモニタが見える場所に移動して確認したりする必要がなくなり、余裕を持った機器の配置も可能になりました。
そのほか、複雑な接続作業や確認作業が不要になったので、準備にかかる作業負荷や時間が削減されました。特に、映像が上手く表示されない場合、CREASTの稼働状況はタッチパネルを見ればすぐに確認できるので、基本的には機器側を確認すれば済むようになったのは、機器の設置を担当する私たちにとっては安心感やストレスの軽減につながっています。
【導入経緯】 接続性や操作性に優れ、サポート体制も整っているCREASTを採用
CREASTを採用した経緯を教えてください。
映像の切り替えや録画に限ったことではありませんが、手術室を増設するにあたり、術中はもちろん前後の準備も含めてスムーズかつ効率的に作業ができる環境を整備するという方針が根底にありました。そのため、手術室の映像をシンプルにコントロールするシステムの導入は必須だと考えていました。
システムは、次の基本的な要件をベースに選定しました。
- 機器のメーカや種類を問わず、あらゆる映像ソースに対応できること
- 操作性とコストパフォーマンスに優れていること
- 使い勝手など、細かな点で当院の要望や業務に対応できるシステムであること
- メディカルレコーダは、指定の機種にて対応すること
- 信頼性や安定性が高いこと
- サポート体制が整っていること
最終的には、接続性や操作性に優れ、実績も豊富で、柔軟な対応やサポートも期待できることから、CREASTの導入を決めました。
【評価・期待】 医療現場での導入実績や経験が豊富で、専門的な機器や設備にも詳しいので安心
レスターコミュニケーションズに対する評価や要望、期待があればお聞かせください。
レスターコミュニケーションズは、医療現場での導入実績や経験が豊富で、専門的な機器や設備、病院特有の習慣などにも精通しているので、システムの設計・構築、導入後のサポートまで、安心して任せることができました。
また、CREASTの機能や使い勝手にはとても満足していますが、一方、細かな部分では仕様や使い勝手に対する要望なども伝えていますので、今後の改善にも期待しています。医療機器は海外製品や要望などを伝えることが難しいメーカや販売元も少なくないのですが、距離感が近いというのも、レスターコミュニケーションズの良さだと思っています。
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