株式会社東京サウンド・プロダクション様
株式会社東京サウンド・プロダクション
1963年創立。NETテレビ(テレビ朝日の前身)の音響効果集団としてスタートしました。フィルムの音付けや洋画の音声アレンジなど、ゼロから音付けを行ってきた音響効果技術を有し、現在は撮影・編集・MA・音響効果と一連の作業を行い、ドキュメンタリーやドラマなどの制作を行っています。テレビ朝日、NHK、民放各局、地方局など、局内での編集・MA・音効・オンエアー出しや、企業VPやWebコンテンツ、映画の仕事を手がけています。「Kotobukiビデオセンター」「ソフィアビデオセセンター」「EXビデオセンター」と3つの拠点を構えるポストプロダクションです。 www.tsp.co.jp/
製品ページ・関連ソリューション
Mistika
編集からフィニッシング作業まで、同一のタイムライン操作で、仕上げる自由度の高いDIワークフローを提供。
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放送・映像制作向け
撮影・中継・編集・MAなどの制作設備から、コンテンツ管理・アーカイブ・送出・各種配信伝送など、広範囲にわたるシステムを提供。
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株式会社東京サウンド・プロダクション 様へのインタビュー
導入背景
左から 濱田 豊:ビデオセンター 担当部長、高橋 聖:営業部 担当部長、福谷 裕二:ビデオセンター 編集課 課長
本日はよろしくお願いします。まずEX-TOWER PLUSを新設されたきっかけを教えてください。
高橋 聖 (以下、高橋):2012年12月にテレビ朝日さんからEX-TOWER PLUSに入らないかとお話いただきました。
当時BS朝日(原宿)にもスタジオがあり、そちらの移転のお話とも重なり、MAや編集を行える新しい拠点を構える事にしました。EX-TOWER PLUSのポイントは、ファイルベースを意識した点です。テレビ朝日に近く、局の番組制作においてテロップ入れは必須でした。リニア、MAの編集室をメインに構築していくという事で話は進みました。
ファイルベースを考えられた、きっかけを教えてください。
高橋:業界全体がファイルベースという流れになりつつあり、無視は出来ないと感じていました。
リニア編集室は必要だけど、何かファイルベースと共有できるような、ちょっと新しいものを作って、近隣の局にアピールしていきたいと思いました。
リニアのお部屋については、どのような思いがありましたか?
濱田 豊 (以下、濱田):このタイミングでリニア編集室を設けることは、正直悩みました。
しかし、バラエティを中心とした番組編集において、速さという面でもリニアに勝るものはありません。
熟したとはいえない、ファイルベースに完全に移行することは、かなり悩みました。今の段階ではリニアでやっていこうという結論は出ていましたが、中長期的なスパンで考えた時に、単純なリニア編集室を作ることに抵抗があり、ファイルベースのワークフローにリニアを入れることは考えられないか・・・機材選定の模索が始まりました。
バラエティの撮影もファイルベース化が進んでいます。ディレクターさんがPCベースのノンリニア編集を行い、MAもDAWでファイルベース。音響効果もファイルベース。リニア編集だけ、テープに戻ってしまうので、リニアがファイルベースで通せれば理想的だと考えました。
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A: リニア編集室 EDIT304 B: リニア編集室 EDIT303
●プラグインエディター ●MVS-7000X(Sony) ●XDS-PD2000 ●Prunus Universal Player ●AMG(Deko) ●Final Cut Pro7 (Adobe CC)
機材の選定はどのくらいから始めましたか?
福谷 裕二(以下、福谷):昨年の2月、3月から、検証に検証を重ねました。ノンリニアと比べて、リニア編集の難点は、ファイルベースを9ピンでコントロール出来ない事でした。機材選定の際は、「9ピンでテープライクに動かせる」「レコーダーもファイルでRECできる」の2つの条件を満たすことをコンセプトに進めました。実際9種類くらいの機材を試しましたね。共信さんにご協力いただき、導入前に納得いくまで機材を検証できたのはよかったです。最終的には、価格と扱えるファイルの種類が豊富。さらに9ピンでコントロールできるという点から、『さくら映機 PRUNUS UNIVERSAL PLAYER(以下、ユニバーサルプレーヤー)』を選びました。レコーダーは『ソニー XDCAMステーション』。部分的だけど、テープで取り出せて、セカンドレコーダーとしてファイルもだせます。リニアだけどファイルで扱い易くなっています。
導入効果
お客様の反応はいかがですか?
高橋:Final Cut Pro (以下、FCP)からAvid ISISを経由して、ユニバーサルプレーヤー上で、ISISの素材をコピーしながら、再生することできます。フリーのエディターの方も多くご利用いただいて、『このシステムを知ってしまうと、他行けないよ』というお声をいただいています。お客様は知らず知らずのうちに使っていますが、一旦テープに戻ることなく、ファイルで完結できる点は、大きなアドバンテージだと思います。
濱田:例えば、ディレクターさんが複数番組をやっていて、ロール1、ロール2の作業をしながら、バージョン変更などが発生した場合、これまではその都度、一度テープに書き出していましたが、その手間がなくなっています。
データのやり取りの工夫されていますね。
濱田:リニア編集と同じようなことは、MA編集にもあります。音楽番組の制作では、ディレクターさんが所有しているオリジナル音源に、後で差し替えるという状況もあります。今まではUSBにコピーして、セキュリティチェックをして、MA編集に持ってきていました。
今回は、ISISサーバーとは別にお客様用サーバーを立てたことで、Wi-Fi経由でデータの出し入れができます。
レギュラーでご利用いただいているお客様には、番組ごとにフォルダを作成しています。現在では300アカウント以上あります。ディレクターさんがEX-TOWER PLUSで仕事があるので、事前にインターネット経由でデータを他の場所から送ることが出来ます。テロップの元ネタやスチール素材など、メールでやり取りできるようなデータ容量ではないので、サーバーはかなり有効に活用いただいています。他のスタジオとも連携出来るように構築しています。
EX-TOWER PLUSの効果として、何か実感されていますか?
高橋:同じテレビ朝日系列のプロダクション、ビデオパックニッポンさんが、同じビル内にいらっしゃいます。
ビル設立当初、テレビ朝日の情報バラエティのレギュラー番組を、協業で1本やるというお話がありました。素材のやり取りが必要だったため、弊社ISISサーバーにブリッジをかませ、ビデオパックさんで映像データのやり取りが出来るよう、環境を構築しました。他のプロダクションさんと、1つの番組制作を協力しながら行えたのは、新しい試みだと感じています。
福谷:ファイルベースの恩恵として、VP制作のお客様が戻ってきたように思います。
VPは最終的にはDVDに書き出されるので、テープにする必要はありませんが、MAを行うためにテープ書き出し作業を行っていました。
濱田:MAも編集もファイルベースで出来る専門の環境が整っているほうが、制作時間も短縮できますし、クオリティの高い制作ができます。
お客様には、無駄なことがありませんし、その点を重視される方も多いです。MAが完成したMIXデータをWAV(ワブ)でくださいとオーダーされることの方が多いですね。
(左) MA301: オペレーターの方が、操作する様子
(右)MA302: モニタリングカメラシステムを導入し、アナウンスブースとコミュニケーション連携をはかる
感想・要望
EX-TOWER PLUSでは4Kも意識されて、構築されましたか?
高橋:初期段階では、FCPやPremier、Media Composerなどを導入して、ノンリニアが何でもできる部屋に使用と考えました。正直4Kはまだだろう・・・と思っていましたね(笑)
Nex-TVフォーラムが立ち上がり、他のポスプロでも4Kをやっている所はありましたが、時間がかかって費用対効果がないと聞いていただけに、悩んでいました。そんな中、共信さんからMistikaをご紹介いただきました。Mistikaは速度が速くて、サクサク動くマシンです。Misiktaを導入することで、本格的な4K制作の環境を確保する事ができました。
濱田:営業の声がけで、テレビ朝日のNex-TVフォーラム プロジェクトの方々が集まって、4Kコンテンツを試写するイベントを1週間かけて、開催しました。イベントを通して、TSPに行けば、4Kが見れて制作できるという事を周知する良いキッカケになったと思います。
高橋:また弊社撮影チームは、4Kへの取り組みをいち早く行ってきました。CM関係はほとんど4Kで行われており、REDやSONY F55で撮影を行っているので、色の扱いなどノウハウがあり、実績もあります。撮影チームと情報公開しながら、そういったノウハウを編集方面にもいかしていきたいです
最後に最後にご感想やご要望をお聞かせください。
高橋:今後も引き続き、サポートをお願いします。ファイルベース化したことで、トラブル内容も新しい方向に動き始めています。通信やPC関係、ネットワークの知識をもった方にサポートしていただきたいです。
濱田:ネットワーク関係はこれから益々必要になってくると思います。サーバーから各機器にどうやって繋いでいくのか、各機器との連携によって全体的なソリューションとしてシステムを見ていただきたいと思います。弊社と共信さんとでタックを組んで、今度こういった事をやりたいけど・・・とご相談していきたいですね。ファイル転送やITも含めたシステムなどを統轄して、システム構築いただけるのは、とても心強いです。これからも一緒に業界を育てていきましょう。
福谷:トラブルが発生した時や、どうしたらいいんだろう・・・と困った時に、連絡が繋がるような関係はとてもありがたいです。これからも頼りにしています。
高橋:4Kコンテンツもアグレッシブに取りにいきたいと思っています。MistikaやIQの強みを活かしていきたいです。それぞれのマシンの良さをソリューションとして組み合わせて、4Kに限らず有利な部分を全面に出していきたいと思います。まずはリピートしていただけるように、アピールしていきたいです。
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