株式会社ヒューマックスシネマ様
株式会社ヒューマックスシネマ HACスタジオ(東京都新宿区)は、新宿区に9つの編集スタジオ、3つのMA室、独自のマルチカメラオフライン編集室など幅広く設備されているポストプロダクションです。ミュージックビデオなど音楽関係の映像制作を中心にテレビCMやドラマなど多くの作品を手掛けています。2018年8月、2式目のSGO Mistikaオンライン編集機を追加導入すると共にスタジオ全体のインフラ環境を再構築しました。
http://www.hacstudio.com
製品ページ・関連ソリューション
Mistika
編集からフィニッシング作業まで、同一のタイムライン操作で、仕上げる自由度の高いDIワークフローを提供。
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Xcellisワークフロー・ストレージ
業界最速のストリーミング・ファイル・システムであるStorNextを使用した、コラボレーティブなワークフロー向けの高性能の共有ストレージです。
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株式会社ヒューマックスシネマ様
導入環境について(Mistika)
なぜ今回、2式目のMistikaを追加導入したのでしょうか。
1式目を導入した約3年前は、4K対応コンテンツが普及し始めた頃で、先行投資的な意味合いもありました。今では音楽ライブなど4Kカメラで撮影することが多くなり、2018年末に4K/8Kの実用放送が開始されます。またさらに、最近はVRコンテンツ制作に関する相談を受ける機会も急増しており、Mistikaの稼働率は高まりました。1式ですとスケジュール調整や緊急時の対応に手間取ることもあり、2式目の導入を決めました。
改めて、Mistikaのどのようなところが優れていると評価していますか。
細かいところを挙げればキリがありませんが、カット数が多く、長尺となる音楽ライブコンテンツでも、ノンリニアですぐにプロダクション業務を開始できるのはもちろん、カラーグレーディングも優れていますし、その場で要望に応えられる、痒いところに手が届くというのが大きなメリットだと考えています。また、Mistika VRに関しては編集直後に本プレビューがモバイルデバイスで確認できるのも評判が良いところです。
導入環境について(Quantum)
今回「Quantum」ストレージを導入した理由は?
これまで利用していたストレージの更新時期に合わせて、ネットワークインフラを含めたストレージ環境の見直しを図りました。ストレージとして冗長性・堅牢性を持つだけでなく、ワークフローに柔軟性を持たらせること、将来的な拡張が容易であることが「Quantum Xcellis」を選択した理由です。
「Quantum Xcellis」は高速な「StorNext」ファイルシステムを搭載した拡張性の高いSANストレージですが、ファイバーチャンネル接続だけでなくスケールアウトな特徴を持つ「NASクラスター」を利用したイーサネット接続も可能なので、スタジオのどこからでもアクセスが可能な柔軟性の高いハイブリッドストレージシステムである点を高く評価しました。
共有ストレージ環境のシステム構成イメージ
システム設計のポイントは?
「スタジオに縛られることなく、どの端末からでもスムーズにデータへアクセスできること」と「FlameやMistikaといった各部屋のメインとなるオンライン編集機のパフォーマンスを落とさないこと」が重要なポイントとなります。
すべての編集室からデータへアクセスできる環境は必須ですが、アクセスが一様に集中するのではオンライン編集に影響を与えかねません。そこで「Quantum Xcellis」のハイブリッドな利点を上手く組み合わせ、ネットワークを階層化しながら物理的に接続スピードのコントロールを行っています。
将来への拡張性や8kへの対応は?
設計時に重要なのは次の時代を見据えた将来性も考慮することです。基幹スイッチには「Mellanox Spectrum 100Gイーサネットスイッチ」を採用したことで、インフラは既に8Kへ対応しています。
また、「Quantum Xcellis」はスケールアウトに「NASクラスター」と「ストレージ」のパフォーマンスアップが可能なだけでなく、アーカイブやライブラリなどに向けてストレージ容量のみを安価に増設することも可能なので、時代の変化に合わせて長期的な拡張プランや柔軟性を有した理想的なストレージです。
導入経緯
導入する機器の選定やシステム設計などは、どのように進めていったのでしょうか。
共信コミュニケーションズ様に予算と要望を伝え、そこから何度も構成や導入機器の組み合わせを提案してもらい、内容を固めていきました。私たちのわがままをカタチにしてもらったというのが正確な表現になるかと思います。
当然、諦めなければならないこともいくつかありましたが、既存機器も活用し、現状当社にできることを最大限に追究し、コストと性能に加え、拡張性も踏まえた上で現在の構成にいたっています。
構成が階層化したことで、管理面について不安はありませんでしたか。
株式会社ヒューマックスシネマ HAC事業部 メディアサービス チーフエンジニア 市川有人氏 |
センターに大容量のストレージやネットワーク機器を設置すれば構成はシンプルに済むかもしれませんが、その機器にトラブルが発生すれば影響はスタジオ全体におよんでしまいます。将来的に拡張を図る際にも、機器全体を入れ替えなければならなかったり、特定の技術やベンダーに依存してしまうといったリスクもあります。
一方故障などのリスクを分散でき、必要に応じて部分最適で拡張ができるという点では、SANを構築するメリットは少なくないと考えています。どちらが良い悪いという優劣の問題ではなく、当社の環境には合ったシステムだと思います。
設計上は問題なくても、思うようなパフォーマンスが出なかったり、機能制限などが出ては困りますので、共信コミュニケーションズ様のデモルームに検証環境を構築してもらい、パフォーマンスや操作性などの確認にも時間をかけました。
また、管理面に関しては、それぞれの機器を個別に導入・構築して、すべてを社内で管理しなければならないとなれば相当面倒なことになると思うのですが、専門家である共信コミュニケーションズ様にワンストップで対応してもらえるので問題視はしていません。
評価・期待
共信コミュニケーションズへ依頼した理由を教えてください。
株式会社ヒューマックスシネマ HAC事業部 編集 エディター 吉本佳奈氏 |
次のポイントから、今回の共有ストレージ環境の構築を任せることにしました。
●編集スタジオだけでなく放送局などの映像・音響システム導入の実績やノウハウが豊富である。
●編集システムはもちろん、映像機材やストレージ、ネットワーク機器などにも精通している。各メーカーとのパイプも太い。
●検証環境が充実しており、製品の組み合わせや相性も事前に検証してもらえる。
●導入前のコンサルティングからシステムの設計・構築・施工まで一括して任せることができる。
●対応が迅速なので、安心してアフターサポートを任せることができる。
ご提案内容に対するご意見や、今後へのご要望などお聞かせください。
Mistikaについては、電話、メール、現地対応含め、迅速にサポートしてもらっていますし、メーカーとの連携も取れていると感じています。
また、共有ストレージに関しても豊富なノウハウがあり、相談時には期待以上の答えが返ってくるので頼もしいです。システムは順調に稼働しており、パフォーマンスも問題はありません。スタジオに縛られることなく編集作業ができるようになり、スタジオを移動する際のデータコピー作業などに煩わされることもなくなりました。
共信コミュニケーションズ様は、機器やシステムだけでなくスタジオインフラ全体に精通しているので、スタジオ運用に関連する課題や問題点についてもアドバイスや提案をお願いできるかもしれないと、今回の共有ストレージ環境の導入を通じて感じました。少し大き過ぎる期待になるかもしれませんが、今後もシステム面だけでなくエディターの負担軽減など多面的な提案やアドバイスに期待しています。
左から: 株式会社ヒューマックスシネマ 吉本様、市川様
お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
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