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国立大学法人一橋大学様 ハイブリッド授業の導入

「講義室にいる学生とオンライン参加の学生がシームレスにディスカッションでき、
臨場感のあるライブ授業ができるようハイブリッド授業環境の拡充を図っています」

国立大学法人一橋大学の大学院研究科の1つである「経営管理研究科(通称:一橋ビジネススクール、以下、HUB)」では、対面授業とオンライン授業を組み合わせたハイブリッド授業の拡充を図るため、講義室システムの改修に取り組んでいます。その背景とねらいについて詳細を伺いました。

国立大学法人一橋大学 経営管理研究科様

https://www.hit-u.ac.jp

 

お話しをうかがった方

一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻 一條 和生 専攻長 教授

略歴:一橋大学大社会学部卒。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。
   フルブライト奨学生としてミシガン大学経営大学院に留学し、Ph.D.(経営学博士)を取得。
   一橋大学講師、社会学部専任講師、同助教授、同大学院教授を経て、現職。
   2003年にはスイスのビジネススクールIMDで教授として勤務。
   2014年4月より、一橋大学 大学院 国際企業戦略研究科 研究科長に就任。

 

【スクール概要】日本のビジネススクールとして最も高い評価を受けたHUB

HUBについてご紹介ください。

一條専攻長教授

一橋ビジネススクール
国際企業戦略専攻
専攻長 教授 一條 和生氏

HUBは2018年、日本有数の国立大学として伝統ある一橋大学が母体となり、従来の大学院教育課程を整理・統合して誕生したビジネススクールです。日本語プログラムの経営管理専攻(School of Business Administration:SBA)と、英語プログラムの国際企業戦略専攻(School of International Corporate Strategy:ICS)という2つのスクールで構成され、特にMBA教育においては開講時間帯を昼間・夜間とするなど、多彩なカリキュラムと幅広い学びの機会を提供しています。2018年9月に発表されたイギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ(QS)社」による世界の大学の教育を評価する「QS世界大学ランキング」においては、日本のビジネススクールとして最も高い評価を受けました。
私が専攻長を勤めるICSは、世界に数あるビジネススクールの中でも、まだ誕生して間もない新星ですが、2000年に経営学教育のイノベーター集団により、すべての授業を英語で行う日本初のグローバルなMBAプログラムとして発足。以来、ビジネスに新たな息吹を吹き込んで前進させる、洞察力と機動力に富み、時代の最先端を行く「知の創造者」の育成に成功を収めてきました。そして、日本企業や日本経済のグローバル化が加速する現在においても、ビジネスのグローバルリーダーにふさわしい人材を育成し、国内の企業事情に精通した専門知識を持つ情報源として大いに注目されています。

 

【利用状況】ハイブリッド授業の拡充を図るため講義室システムを改修

今回実施した講義室システムの改修について教えてください。

HUBには海外から受講する学生もおり、以前よりオンライン授業と対面授業を組み合わせたハイブリッド授業に取り組んできました。学生数が15名規模の講義であれば、Web会議システム「Zoom」に接続したPCを利用して、オンラインで参加している全員の顔を見ながら講義をしたり、講義室にいる学生とオンラインで参加している学生同士がディスカッションしたりすることもある程度実現できていたのですが、学生数が増えるとハイブリッド環境下でのスムーズな講義やディスカッションは難しくなります。
そこで、人数の多い講義でもハイブリッド授業をスムーズに実施できるよう、2か所の講義室システムの音響および映像システムの改修を行いました。

教壇から見た講義室の様子教壇から見た講義室の様子

具体的にはどのような改修を実施したのでしょうか。

「インタラクティブな授業をいかに“ライブ”なディスカッションにするか」という観点から「音」に着目し、まず、それぞれの講義室の天井に6~7台のシーリングマイクロフォンを設置し、それらをコントロールするための音響ミキサーも入れ替えました。シーリングマイクロフォンは、講義室内のどの座席にいる学生の発言もクリアに拾うことができるので、ハンドマイクなどを利用しなくても講義室の学生とオンラインで参加している学生とがシームレスにディスカッションできるようになりました。
次に、教員がZoomで参加している学生全員の表情をタイル表示して確認できるよう55型の大型ディスプレイを新たに設置しました。システム面でのポイントは、オンライン授業対応インターフェースにUSBケーブルでPCを1台接続するだけで、学生が見るプロジェクタに資料映像を表示すると同時に、大型ディスプレイにZoomの映像を表示できるようにした点です。なお、PCには専用のディスプレイドライバがインストールされている必要がありますが、インストールされていないPCについてもHDMIケーブルとUSBケーブルの2本での対応も可能となっています。
また、今後天吊カメラを利用して、タッチパネルによる簡単な操作で講義室の様子や教員を自動追尾した映像を配信するなど、音響および映像システムを改修し、より臨場感のあるライブ授業ができる環境を段階的に整備していく予定です。
シーリングマイクロフォンタッチパネル
シーリングマイクロフォン(左)、タッチパネル(右)

 

【背景】世界のビジネススクールと肩を並べるために最先端の教育環境が必要

なぜ、講義室システムの改修を実施したのでしょうか。やはりコロナウイルス感染拡大の影響で、オンライン授業の充実が必要だったからでしょうか。

コロナウイルス感染拡大の影響に関して話をすれば、もちろん影響がなかったわけではありません。しかし、そもそもICSでは、コロナ以前から教育のデジタル化やオンライン授業、ハイブリッド授業へと積極的に取り組んできました。その背景には、日本で最もグローバル化したビジネススクールとして、世界のトップビジネススクールとつながりを持っており、世界中の最先端の教育システムを目の当たりにする中で、世界に後れを取ってしまうという危機感が大きな動機となっていることは間違いありません。
そして、教育機関としてグローバルに活躍する優秀な人材を輩出していくのはもちろんですが、このような取り組みを通じて、国内の大学教育界に対して先進的な事例を提示していくことも国立の教育機関としての重要な役割の1つだと捉えています。

 

【ねらい】対面とオンラインの組み合わせでも、シームレスなディスカッションができることが重要

改修における重点ポイントを教えてください。

今回の改修にあたり、次の3つのポイントを重視しました。

【ポイント1】シームレスなディスカッションができること
ビジネススクールでは、教員が一方的に説明するスタイルの授業はほとんどなく、学生に対して常に疑問を投げかけ、議論を促し続けます。そのような自由闊達なディスカッションの場を、対面とオンラインを組み合わせた環境で実現することが今回の改修の最重要ポイントでした。
シーリングマイクロフォンの活用は海外のビジネススクールの例を参考にしたのですが、結果的にハンドマイクを使わないことがコロナ対策の一環として効果を発揮することにもつながりました。今後、講義室の様子や教員や発言者の自動追尾映像などが発信できるようになれば、より臨場感のあるディスカッションが可能になると期待しています。

【ポイント2】オンラインで参加している学生の様子をリアルに把握したい
オンラインであっても、対面であっても、常に学生の様子を確認しながら授業を進めていく必要があります。スペースやコストの制約もあり、現状は55型の大型モニターを使用していますが、壁面いっぱいにオンラインで参加している学生たちの表情を映し出すことができれば理想的だと考えています。

【ポイント3】コンテンツのスムーズな切り替え
オンライン授業と対面授業では、授業のスタイルや必要なスキルは大きく異なります。時間軸で見ても、オンラインであれば15分ぐらいのスパンでモードを変えていかないと、PC画面でただ見ているだけの学生は飽きてしまいます。授業で使用する資料に関しても、Microsoft PowerPointの画面や動画、教室の映像などをスムーズかつ効果的に切り替えながら授業を進めていかなければならず、綿密なティーチングプランと授業を補助するティーチングアシスタント(TA)との連携が必要となります。
そのため、タッチパネルによる直感的な操作で簡単かつ自由自在に表示コンテンツの切り替えやカメラワークなどをコントロールできる使い勝手が必要だと考えています。

 

【選定理由】グローバルなレベルの要求に対する柔軟かつ迅速な対応を評価

レスターコミュニケーションズにサポートを依頼した理由を教えてください。

スタジオレスターコミュニケーションズが音響・映像機器の導入をサポートしたHUBのデジタルスタジオ

レスターコミュニケーションズはデジタル教育に対する理解度が高く、当スクールが求めるグローバルなレベルの要望や要件に対して、最も優れた提案をしてくれました。
そして、放送業界など高いパフォーマンスや信頼性が求められるプロフェッショナルな現場や教育機関などにおける経験やノウハウが豊富で、当スクールのデジタルスタジオの音響・映像機器導入のサポートなどの実績もあったので、安心して改修プロジェクトを任せることができると判断しました。
実際、今回の取り組みも短い期間で当スクールの要望に柔軟かつ迅速に対応してもらえたのでとても助かりました。今後の展開に関しても相談に乗ってもらっています。

【期待・要望】音響・映像のプロとして、新しい情報やソリューションの提供に期待

レスターコミュニケーションズに対する要望や期待があればお聞かせください。

今回の改修プロジェクトは期間も短く、コロナ禍での作業も強いられることとなり、国立の教育機関として適正なプロセスを踏みながら、最適な機器を選定しなければならず、機器の選定なども通常より手間や時間をかけざるを得ないこともありました。そのような状況下で、柔軟かつ迅速に対応してくれたレスターコミュニケーションズには感謝しています。
私たちは大学教育に関連することしかわからない、知ることができないことも多いので、音響・映像のプロフェッショナルとして、常に新しい情報やソリューションを提供し、私たちを刺激してもらいたいと期待しています。

最後に、今まさにハイブリッド授業や教育のデジタル化に取り組んでいる方へのメッセージがあればお聞かせください。

ハイブリッド授業や教育のデジタル化に関して、私たちも正解にたどり着いたわけではなく挑戦をしているところです。ただ、ハイブリッド授業や教育のデジタル化・オンライン化を進めるにあたり、コロナウイルス感染拡大の影響によって対面授業ができないから、その代替手段として進めるということではなく、時間や場所を越えて世界とつながっていく新しい「学びの場」を創造していくという姿勢で取り組む必要があると考えています。

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

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